「……ごめん、寝ちゃった」 初めてした澪とのおでかけなのに。 シュンとする私に、隣の彼は目の前に広がる海を眺めたまま呟く。 「いいよ。キキが寝ている間、ここから沈む夕日を見ていたから」 「……?」 まだふわふわしている寝ぼけ眼をこすりながら、彼の視線の先を追った。 丸いお月さまと、藍色の夜空。 星はよく見えない。