ノスタルジア







「……ッ」





そして扉の隙間からグイッと私の腕を引っ張り出すと、そのままリビングへと引きずり込んだ。






「ずるいよ、反則!」



「キキがなかなか見せないからだろ」



「だって……」






もじもじとする私を、彼は上から下まで確認する。





そして。








「綺麗」



「っえ」



「可愛いよ、キキ」








やっぱり恥ずかしげもなく、そんなことを言えちゃう彼。




それが本心なのか、私をあやすために言った言葉なのかは。





私には分からない。