内心、ちょっと驚いた。聞き捨てならない。

「なんで? なんで死にたくなったの」

 もし、星野が死んだら。

 きっと僕は、なにも話そうとしなかった、話させなかったことを激しく後悔するはずだ。だったら、嫌われるのを承知の上で、こいつずうずうしいなって思われても、話を聞くべきだ、と瞬間的に頭がすごい勢いで考えて、そんな結論が出た。

「話したところで、なにか変わるのかな」

 やっぱり、言いづらいよな。

 僕には、星野が、星野にしかわからないなにかにがんじがらめになっているような気がしてならなかった。

 その「なにか」を、どうにかして消してあげたかった。