思わず自室の机につっぷしました。


小さな簡易テーブルのところにはみっつのクッション。

そこのひとつに夏樹くんはいます。

あの、ベッドにもたれかかるの止めません?


というか、わざわざこんな狭い部屋に来る意味はあるのでしょうか……。


「柑夜なら大丈夫だから」


な、とわたしの手を握り締めた夏樹くん。

安心させようとしてくれてるんですね。


家に帰った夏樹くんをわざわざ呼び戻して。


立場を利用……しているのでしょうか。

好かれているという立場を。


夏樹くんがわたしのことを好きらしいことを知ったのは最近なのですが……正直どうしたらいいのやら。

わからないのです。


ただ──彼が側にいる時、何かがザワザワして、心拍数が速くなって、不意に彼が見れなくなります。


「熱い……」


何故か熱い頬をこっそり手で冷やしました。