「高井戸杏奈って覚えてるか?」

佐古が聞く。


「…あぁ、あの金で何でも解決する社長の娘だろう?」


「…父親のことまで調べたのか。」


佐古は、感心したように帽子を被りなおした。



「じゃあ、その何でも金で解決する親父は、逮捕されちまった娘をどうしたと思う?」


ニヤニヤと笑みを貼り付け、佐古は楽しそうに一喜の答えを待った。