さわわ、爽やかな風が吹き抜けた。 視界にふわり、白い裾が揺れる。 青年は、ゆっくりと顔を上げた。 「沙…良…。」 もう、二度と会えないと思っていた もう、二度と会わないと決めた女性(ヒト)。 その人が、目の前に… 少し、切なげに自分を見ている。 夏らしい、軽やかな白いワンピースを揺らして。