「な、なにすんのよーっ!」


ドンッと勢いよく突き飛ばす。


そしてにらみつける。



周りには、下校中の桐山男子の生徒がいるのに!


幸いにも、百合丘女子の生徒はいなかったけど……。


もし、見られていたら……そんなこと、想像するだけで恐ろしい。



「知紗ちゃん、顔真っ赤。可愛いーっ」

「……は!?」


か、可愛い?


……てか、顔赤いの……?


ぺちぺちと頬やおでこを触ってみると確かに熱を帯びてる。



え――っ!?


なんで顔熱くなってんの!?



「知紗ちゃんが可愛かったから、つい手が出ちゃった」


悪びれもせず笑う井岡篤樹。