「女好きな篤樹に、特定の彼女が出来たんだ?」 ニヤニヤと笑いながら、俺の隣に来た先輩。 ……女好き? そんなこと、自分で言うものじゃねぇだろ。 「……女好きは先輩じゃないですか」 「まぁ、そうだけどね」 あっさり頷いた先輩に、俺は横を向いてこっそりため息をつく。 つーか、俺は女好きじゃねぇし。 「篤樹の彼女はどんな子?」 興味津々という感じで聞いてくる先輩。 目なんかキラキラしてる。 ……早く客、来ねぇかな。 知紗のことをベラベラ話したくねぇし。