「すぐ可愛いこと言うんだから、知紗には適わねーな」 そんなことを言うもんだから、 あたしの頬がカァッと熱くなるのが分かった。 「か、可愛くない……っ!」 「顔真っ赤じゃん」 「う、るさいっ」 これじゃ、あたしが篤樹に適わないって感じだよ…… 頬を膨らませて篤樹をにらんでいたら篤樹はふ、と優しげな笑みを浮かべた。 「じゃあ、そろそろ帰るな?終電もあるし」 「あ、そっか……」 篤樹は電車で通ってるんだっけ… もう帰らないと、ダメだよね。