あたしの顔の横に篤樹の右手があって、左手で顎を掴まれた。 「……っダメ!ここあたしん家だし!」 一瞬でこの体勢になったから脳が働いてなかったあたしは、 必死に篤樹を押し返した。 「こんな近くに彼女がいるのに、触るなって言う方がムリ」 「えっ───…んんっ」 あたしが問い返す時間もなく、 唇はあっさり奪われてしまった。 「まだ足りねーよ……」 唇が離れた後、篤樹が切なそうに寂しげに言うもんだから。 「い、いいよ……?」 なんて言ってしまったあたしは、篤樹に甘いのかも。