『俺、知紗ちゃんが好……』 『ダメ!』 つい突発的に出てしまった言葉。 考える暇もなかった。 思わず……言ってしまった。 『は……?』 『だ、ダメなの。絶対ダメ!』 あたしに好きなんて言わないで。 今のあたしじゃきっと、篤樹の想いに応えてしまうから。 でも……そんなのダメなの。 自分の気持ちを、受け入れるのが怖い。 だから……言わないでよ……。 『……っ、なんだよ、ダメって。コクらせてもくれねぇのかよ、お前は』 篤樹の苛立ったような声が、マイクを通してあたしに突き刺さる。