カカカカカーっ!って、シャーペンを何度も、似顔絵にむかって振り下ろす。


先生はそんなウチを見て、



「ま…まあ、あんま思いつめるなよ…」



とか言いながら、教卓にもどっていった。



ちっこいノートからはみ出そうな、なぐり書きのセッチの顔。


しょーわるそうな目つきと、クイッて上がったまゆ毛が、ミョーに似とって。


自分で描いたけど、ほんま腹立って。



なぁ。ウチが、何したって言うん。


なんもしてへんやん。セッチ、どんだけ自分勝手なん。


今までさあ、ケンカばっかりやったかもしれんけど、おさななじみやん。


近いからって、なんでもしていいわけやないやん。


…アカン。うち、めっちゃ怒ってる。怒りくるってる。


もう絶対、セッチは部屋に通さん。


断じて通さん。おのれの欲求を満たしたいがために、人のこと勝手に、彼女にしやがって。