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 白い天井は見慣れないものだった。
 
 意識を身体にもどしつつ、頭が働くのを待つ。
 
 首を横に向けると背骨にまで痛みが走り、途中で横を向くのを諦めた。

 
 起き上がろうとしたけどお腹の辺りに激痛が走り、これまた起き上がるのも途中で諦めてみた。



「亮!」

 
 医者を呼びに行ったのだろう、焦りながら走って病室を出て行ってしまった母親に、「廊下は走らないでください」と、一言言ってやりたい。

 そうだ、今こそ逆に使ってやりたい気分になる。

 でも、自然と顔には笑みが浮かぶ。

 頬の筋肉までも痛い。しばらくは笑うこともできないのか。