「そもそもさ、そういうことこそそっちサイドでちゃちゃっとなんとかなんないわけ? なりそうなもんなんだけど」

 だって、それが仕事じゃないの?

 簡単なことのようにしか思えないんですけど?

「私たちの仕事はそれぞれの管轄区にそれぞれの人間を導くことなんですよ。ですのでその選別は私たちの仕事ではないし、そこまでするようにはできていないんです」

 と言ってアンジュラは自分のこめかみあたりを指で叩いた。

「じゃぁ、それは誰がやってるわけ?」

「ああ、ええと、知りません」

「知らないの?」

「正確には知っていますが、言えませんと言った方が正しいでしょうか」

「どうして言えないの」

「あなたは部外者ですから」




 どこまでもこっちの世界と一緒じゃないか。

 会社勤めと大差ないぞ。

 部外者は蚊帳の外っていうその言い訳。人間界と全く変わらないじゃないか。


 そもそも、その選別する人が出て来ないかぎりはっきりしないと思うんですけど。


 と、なんとか噛みついてはみたものの、

『死んだからここへ来た人』は膨大な数で、ここ1カ所にずっと留まっていることができない。ぱっぱと手際よくさばかないとあっという間にあふれかえってしまう。

 今こうしている間にもその『選別を間違えた奴』は、忙しくあっちゃこっちゃを飛び回っている。

 だから、捕まえることは出来ないと……


 ぶっ飛ばしたくなる珍解答が飛び出してきた。