天使みたいな死神に、恋をした


 掛けられている鎌の隣にはローブが何枚かかけてある。

 今着ているものとまったく同じようにしか見えないローブばかりがかかってるけど、

 こんなに必要なわけ? デザインだって変わらない。色だって変わらない。一体何が違うのか、見ただけじゃ分からない。

 センスの無さも死神級だね。

 と、心の中で嫌みを言ってみた。

 何を入れるのかは聞きたくないけど、麻袋のような袋も備わっているし大きめの釜もある。

 中を覗いてみたけど、良かった、何も入っていない。

 骸骨の一つもあったら私、ルーインを呼ぶ為にきっと心で強くお祈りすると思うし。
 
 この釜で何かを煮たりするんだろうけど、考えてはいけない事を考えてしまうと、今度は腕から顔にかけて鳥肌が立つ。

 あぁぁ、死神と一緒に寝泊まりするなんて、まったく穏やかな気持ちになれないよ。

 寝ている間にスパッと首切られたりしないかという不安と疑いの眼差しを向けていると、ちらりと目があった。そして、不気味な笑み微笑まれた。