ちゃんと好きでいてくれてたんだ。
 
 そっか。うっすら浮気してると思ってたんだけど、そんなこともなかったんだね。ほっとしたら身体が軽くなった。あったかくなった。帰りたくなった。

「アンジュラ、これってどうやったら身体に戻れるわけ?」

「そんなのは簡単です。自分が身体に戻りたいと思いながら吸い込まれる意識を身体に向けるだけです」

「それだけ?」

「はい。戻る気になりました?」

「うん」

「ああ、しかしながらまだどうなってるか問題は解決していないので戻れるかは……ええと、その結果次第では更にやっかいでめんどくさいことに『私』がなるんですが、それでもここでどちらかに帰ってくれたら『私』の仕事も楽になりますし、試してみます? ここで翠さんが帰ってくれると本当に『私』の仕事が楽になりますので」

 自己中心的なんだね。それでこそ死神っぽいから少しは安堵してるけど、それでもやっぱり自分のことしか考えてなかったんだね。でもね、

「試してみる」

「確率は0%に近いです」

「……えぇぇぇ」


 一言多いんだよねぇ。でも全くないよりはマシ。

「大丈夫、やってみるよ」

「はあ、そうですか」


 自分の身体の上に立って、目を閉じて、身体に落ちる気持ちになって下さいと言われ、その通りにする。

 
 と、その前に……