天使みたいな死神に、恋をした


「ちょっとお前ら何やってくれてんの」

 聞き慣れた落ち着く声。
 
 いつの間にかそこにはルーインの姿がある。

 やっとこいつの身体に意識を戻せたと思ったら、またコッチに戻って来たからおかしいなって思って来てみたら、


 きれいな人指し指、透明に輝く爪をした指先をびしっと私たちにむけて指しおろした時に、光の粒が宙に飛んだ。


「ふざけたおまえらがいる。迷惑極まりないなほんと。しかもアンジュラ、お前のその怖い姿を見たらみんな心霊体験したっつって倒れるから人間の世界には来んじゃねーって言ってんだろが!!!!」

 
 最後の方はもはや怒りで怒鳴り散らす勢いだった。
 

 本当にこれが天使でいいんだろうか……



 若干ヒステリー入ってて、優しさのかけらも見あたらず、ひたすらに罵るのが天使で本当に間違いは無いんだろうか。


 いや、そこは完全に間違ってると思う。そう思いたい。天使のイメージを壊したくない。


 アンジュラも然りだけど、ルーインも見なかったことにしたい。