天使みたいな死神に、恋をした


「これはこれは、どうも」
 
 アンジュラが頭を下げつつ挨拶らしき言葉を亮にかけた。


「!!!!!○×▼□◇!!!*!」

 
 言いたい言葉と脳の動きが合っていない。
 
 亮は目を見開いたまま口だけぱくぱくして声にならないうめき声を上げ、ことばにならないことばを発し、

 苦しそうに顔を歪め、

 ぱたりと顔が横に倒れた。



「あぁ、気絶してしまいました」


 
 その声に後ろを振り返ると、いつの間にかフードから顔を覗かせているアンジュラが面白そうに笑いながら眺めていた。


 口を大きく左右に引き、牙を覗かせて、目を爛々とさせていた。