天使みたいな死神に、恋をした


 ん……とうめき声をあげた。
 
 亮は目を静かにゆっくりと開け、



「あぁ……これは困りました、困ったことになります」

「なにアンジュラ、どういうこと?」
 


 アンジュラが思い出したように、でも楽しむような声色で私の後ろから亮を覗き込んだ。


「何が困るの?」

「見られてしまいますね」

 は?
 
 振り返った私は見えないアンジュラの顔をその黒いローブの上から見た。(つもりになった)


「ほら」

 
 ローブからぬるりと出て来た真っ白くて骨ばった(気持ちの悪い)腕を辿り、伸ばされた人指し指をまっすぐその先、紫色の爪の先を……

 

 大きく見開いた亮の両目とぶつかった。
 


 その目は恐怖に戦いている。



「亮!!!」


 私に気づいてくれたんだ!

 ここにいるの分かってる。見えてるんだ。