天使みたいな死神に、恋をした


「意識を戻すとですね、まず一番先に指が動くんですよ」

「どうして」

「ほら、見ててください」

 言われた通りに指先が動き、続いて足先が動いた。

「それから足先が動いたでしょう? 身体に入った意識は脳と心臓に身を委ねるんです。ですから一番遠くの箇所を動かして、確実に収まったかどうか見ているんです」

「なんかロボットみたい」

「ははは、確かにそれほどの差は無いですね。なぜ人間が自分たちと同じようなロボットを作っているのかが不思議でたまりませんけど。まぁ仕方ありません。人間なんてものはそのままの状態でいることが難しい生き物ですから」

「なんだか意味が分からないこと言うよねいつも」

「人間というものを深く知ると面白いと思いますけど」

「それはどうも」

 ムカツク死神だ。 




 亮! 聞こえる? お母さんよ!

 
 ん? 亮って確か、

『彼氏』

私の彼氏だよね。