「仕方ない……ね」

「はい、仕方ないことがあるんですよ。どこの世界にもね。もちろんこっちの世界にも。いろいろと忙しいですから」

「で、ミスっちゃったと?」

「あー……はい。そうなりますねぇ面目ないですが。でもこれは内密にしま……」

「それっていけないことなんじゃ?」

 隠すなんて、ダメでしょ。

「そこはうまく出来ているんです」

 死神ですから。とでも言うように、うんうんと自分で頷いてる。

「都合のいい」



 まぁ、そこはひとまず置いておいて……と。


 まずは今の私の身体の状態を知りたい。
 
 そう言うと、「そうでしょうねぇ」と言い、

「どうなっていてもショックを受けないでくださいよ」

「たぶんその言葉ですでにショックを受けたから大丈夫だと思う。ここよりはましかも」

 歩く度に暗くなる辺りと冷え込んでくる冷たい空気に、ここらへんはきっともうアンジュラサイドの場所に違いないと実感。

「わかりました。それでは」