首の後ろど真ん中にちっちゃい黒いあざ。

 見た目にはワンポイントタトゥーみたいに見えなくもない。

 ごくりと唾を飲んだ。

 指で触る。こする。つねってみる。ついでに剥がしてみようと爪を立てる。

 消えない。取れない。落ちない。


 更に落ちるわぁぁぁぁぁぁ…………


 ぱちんと音を立ててミラーをしまい、鏡に映った自分に自問自答してみる。




 このあざ、なんなのいったい? どこで拾ってきた私。





「……亮」

「ん?……どした?」

「いつできたんだろう」

「やっぱり? 無かったよなそれ。見方によっちゃタトゥーっぽくも見えるけど」

「うんそうだね。タトゥーなんて入れてないのにね。不思議だね。しかもさ、見ようによっちゃこれ……


 死神が持ってる鎌にも見えない?」


 どれ? と、もう一回私の首の後ろをじーっと見て、


「うわっ……そうだね」


「うわって言った?」


「言ってないよ。大丈夫」