うちの両親が成田から亮の家に向かっているので、亮の家で待つことになっているらしい。

 私が目覚めてしばらく一緒にいたけれど、意識が戻ったあとリハビリってなってからは仕事で海外に戻った。で、退院の日に合わせて帰国してくるということになっている。


 タクシーに乗る前に一度ミラーで顔を確認する。

 血色わるっ。太陽の光は反則だ。

 ちょっとお化粧してくるから待ってて。と亮に言い、疲れてるんだからタクシーの中で待っててと言った。

 心配だから一緒に行くって言って、良く分からないけど着いてきた。車椅子を押してくれる。なんか、すごい違和感。

 嬉しいような気持ちと戸惑う気持ちと合わさって、ほんと変な感じ。



 鏡に映った私の顔はまだ傷だらけ。痣にだってなっている。これは落ちる。


 やせ細って、顔なんか疲れきっている。目の下のクマだってくっきりしてる。これでも最初の頃よりかはだいぶマシになったけど。


 しかしこれは更に落ちる。頬に斜めに傷があるもん。



「はぁ」



 切ない。

 そういえば首の後ろになんかあるって言ってたっけ。

 ポーチからミラーを取り出して合わせ鏡にして確認する。



「なんだこれ!」


 こんなもん無かった! なにこれ! 一体全体いつついたの!