「というわけだから、さっさと行ってこい」
こんな適当な天使なんて見たこと無い。
この天使としか話したことないけど、他の天使とやらもこんなに適当なんだろうか。
一番最初に見たあのたくさんいた天使は一体どこへ行ってしまったのか。あの天使たちもルーインみたいなのだったらと考えるとことごとく想像の天使と真逆に位置するのでショックもひとしきり受ける。
ルーインはいずれ堕天使になるんじゃなかろうかと、いらぬ不安を覚えた。
案の定綠さんは困った顔をしていたけれど、ここで『はい』と言わなければどこにも行けないことを悟ったのか、蚊の泣くような小さな声で、はいと答えた。
「今の私の現状も緑さんに見てもらったわけだし、今度は緑さんの現状を私に見せて。そこで二人でどうしたらいいか考えよう」
「……」
やはり何も答えない緑さんはきっと頭の中でいろんなことを考えているに違いない。
気は抜けない。

