「・・・失礼します」 もう、未来は絶望的だった。 真っ暗な、星一つ無い夜空。 底なしの闇が、俺の足元をすくおうとする。 ああ、もうここまで来てしまったんだな。 取り返しのつかない場所まで。 未来は、歴史は、変わりを見せなかった。 「睦月・・・もう、無理だ・・・っ」 ある、秋の夜。 俺も市村も。 未来への絶望だけが、空に映し出された日。