「・・・愛美の事考えたら、これ買ってやりたくて」 そう耳元で囁きながら 私の手を取り、指輪をはめる 「・・・っ・・・」 「ずっとこれ買うために、バイトしてたんだ。」 ああ、だからだ。 一緒に帰れなかったのは バイトしてからなんだ。 なのに、わたし・・・ 「・・・ごめっ、なさ、い・・・」 涙で上手くごめんが言えない 嬉しさと後悔が混じって 嗚咽が洩れる 「・・・泣くなよ。俺、愛美に怒ってない」