コンビニ店員は私とほどよい距離を保ったまま直立で立っていて、近づいてくることはない。
そしてその手にはもう茶封筒は無かった。青白い顔はいつも通り青白く、でも口元にはなぜか優しい笑みを浮かべていた。
「まなみさん、安心して下さい。僕はもうあなたの前には現れませんから。だから最後のお願いです」
いつになく真剣な目と物腰の柔らかさから、嫌な人には思えなかった。むしろ穏やかな雰囲気さえ感じ取ることができた。
まなみちゃん! と後ろから呼ばれ、振り向いたら塔野さんが敏夫を連れて走ってくるところだった。
コンビニ店員の方を振り返った時、彼はもうそこにはいなかった。

