「こわがらないで」
身体が固まってしまって動けないし声も出ない。
セキュリティー、けっこうしっかりしている会社だから、部外者はそんな簡単に入れないのに、なんで。
「DVD、観て頂けたんですね?」
頷くことしかできない。
「あの男が誰だかもご存知ですね?」
頷く。
「このDVDを仕込んだのもあの男です。私はご存知の通りコンビニで働いています。あなたが持って来た料金支払いに記載されている住所を見て、してはいけないことなんですが後をつけてしまいました。ここに住んでいるんだって思うだけで幸せでした。会社帰りにコンビニで買い物をしてくれるだけで、おつりを渡すだけで幸せでした」
「...でもなんで」
「いつか、確か深夜にコンビニにお酒を買いに来たことがあったでしょう?」
「...はい」
寝付けなくて、寝酒でもしようかとパジャマのままコンビニに行ったことがあった。

