「嘘でしょ」
画面に映し出された男の顔を見て私と塔野さんは目の前が真っ白になった。
その顔はよく知っていて、見慣れた顔だったから。
人間、本当にびっくりすると声なんか出ない。
絶句するだけだ。
私も塔野さんも、絶句したままの状態で真っ暗になった画面に釘付けになっていた。
「敏夫に電話しないと」
震える手で胸ポケに入れてある電話を取りだしたけど、手が震えすぎていて床に落とした。
その音を聞いて塔野さんが意識を戻し、電話を拾い上げてくれた。
「私はこいつを探してくるから、あんたは彼氏に電話して、部屋からすぐ出るように言うんだよ! いいね」
こくこくと頷く私は、敏夫に連絡しないとっていう気力だけで保っているようなものだ。
急いで出て行く塔野さんの背中をじっと見て、手元の携帯に目を移す。電話をかける前に画面に目を向けたが、真っ暗なままだ。

