敏夫は9時には起きていた。寝ていても何か変な臭いが鼻について寝ていられなかったからだ。
臭いの元はどこだかを突き止めることにして、申し訳ないとは思ったが部屋の中を見て回ろうとしているところだった。
まずは、台所だ。水回りをきれいに保っているまなみは、水回りの掃除は日課にしていたのでそこに何か腐ったものなどがあることはなかった。
次に見たのは冷蔵庫だ。
しばしば野菜やなんかを腐らせてしまって、そのまま冷蔵庫に放置されているってことも、ある。そこからの臭いかと思い、冷蔵庫をくまなく探したが、ここにもそれらしきものは何もなかった。必要なものだけしか冷蔵庫には入っていない。
牛乳の消費期限もいまのところまだ切れていないが、捨ててもいい程度の量しかないのに冷蔵庫に入っているのも不自然だった。
彼女の性格からして、こんな中途半端な残し方はしない。
残ってるくらいなら飲んでも平気だよなと、残りの牛乳を口元に運んだときに違和感を感じた。
臭いが違う。
牛乳の中に何かが混じっている臭いだ。
しばらく考え込んでいたが、そうこうしているうちにも鼻につく臭いは届いてくる。
飲むことは無く、牛乳をシンクに捨てて水で流した。

