夜、敏夫が帰ってきたらそれとなく聞いてみることにして、料理をしてしまおう。腕をふるって料理を作りながら待ってるなんて、なんか新婚気分。
そういえば最近部屋の中がなんか臭く感じることがある。消臭剤を置いているんだけど、その臭いよりも強く感じることもある。
ここは下町だし、外の下水の問題なのかもしれないけれど、やはり古い家ってのも考えものだなって思う。情緒があっていいかもしれないけれど、匂いはさすがに厳しい。
「ただいま」
そんなことを考えながら料理してたら、早めに敏夫が帰ってきた。
料理をしている後ろからべったりとくっついてきて耳からうなじにキスをしてきて、料理ができない。

