携帯のバイブが胸ポケで鳴ったのはデスクにつくほんの少し前のことだ。相手は敏夫。
「おはよ」
「おはよう」
「どうしたの?」
「今日早く終わるから夜行けそう」
「ほんと! じゃごはん作って待ってるね」
「分かった。じゃお酒でも買ってく」
「りょうかい!」
たわいのない、みんながしているような彼氏彼女の話。今、本当に幸せだ。何気ない日常なんだけど、それが幸せな一時だ。
一緒に食事してテレビを見て、お風呂に入って、一緒に寝る。
身体の相性もいいし、愛されていると実感する。身体の芯からじーんと染み渡る温かさ。

