*誠太郎side* 「ただいま・・・」 思った以上に、沈んだ声が出た。 あのことを思い出すと、泣きそうになる。 いつもの、総兄からは想像のつかない冷たい声。 厳しい表情。 僕の存在を、拒んでいるかのようだった。 「おう、お帰り」