「…いや、聞いてみただけ。」

「そっか。難波くんはスポーツ推薦だったよね?学校楽しい?」

「楽しいよ。」

元気そうでよかった。

ほんとに楽しそうに笑う難波くんを見てると安心した。


「あ、俺もうすぐ引退するんだ。よかったら川原、見に来ない?」

「え?」

「嫌ならいいんだけどさ。」


そういえば、中学の時も難波くんは積極的だった。誰から見ても分かるくらいに。

好かれていて嫌な気はしない。

むしろ嬉しいことなんだけど、今のあたしにそんなことを考える余裕はない。


「…嫌じゃないよ、見に行く。」

「まじで!よっしゃ、じゃあ俺絶対勝つから!」


難波くんが結衣のことを気にしてることが、痛いくらいに分かるから、断るわけにもいかなかった。