地味子が恋をした



「そんな心配しなくたって
あいつは気にしねーよ」


心配無用って事ですか・・・


「そうですか・・・
ああ それはそれはごちそうさん」


「なぁ~ そのカレー
オレにお裾分けないの?
マジで見せるだけだった?」


さっき話の流れで『見せようと思って』と言ったから…
ホントは食べさせてあげるつもりだったんだけど…


こんなことが素直じゃないのよね・・・。


「お裾分けなんて無いわよ!」


自分で言っておきながら
つくづく可愛くない女だと実感する。


「ちぇッ!」


「何?」


「『お宅で頂いた野菜で
カレーを作ってみました
味の保証はないですけど
味見どうぞ』って 無いのかよ」


「ナイナイ
そんなのは彼女に作って貰えばぁー?」


嫌みを言って 電車を降りた。