「や・やめ・・・て・・・」 後は声にならなかった。 冗談で怖がってるのだと思ってた拓海は、あたしの顔色が青くなってるのを見て 「マジなの?」 揺らすのをやめてくれたのだ。 「うん 高所恐怖症なんだ」 「早く言えばいいのにー」 今度はあまり揺らさないように、あたしの横に座った。 そっと あたしの手を握り 「冷たくなってんじゃん!」 って、擦って温めてくれてる。 その優しさにまた、キュンとするのだ。