こういう思い込みの激しいところ、そして人の話を聞いてくれないところが、麻里亜ちゃんらしい。

彼女はいつだってそう。

自分のリズム、自分の感覚が一番。

どんな騒音の中でだって、ひとつの音楽に集中していられるタイプなんだ。

そう、どんな時だってひとつのことに。

麻里亜ちゃんの目はだから、小さな頃からずっとずっときっとずっと悠里くんばかり見ていたと思う。

私がヨシを見ていたみたいに。

本当に、私とヨシの関係は麻里亜ちゃん達と似ていて……

だからこそ、全然うまくいかない私は、彼女達がすごく羨ましかった。

「私、麻里亜ちゃんが羨ましいな」

と、思ったことがそのまま口に出てしまう。

きっと今の私は、なにかが緩いのかもしれない。

「羨ましいって、私が？　どーうして？」

「だって、悠里くんと幼馴染みでしょ？　なのに、二人ともすごく仲良しで――私達とは全然違うもん」