でかいあくびが出た。

めいっぱい口を開けて、背中をのけぞって、霧吹きを散布したよう泣くもの流れる空を見て、固まる。

夜が開けたんだなと。

昨日、あれだけ自分勝手なことをいきなりぶちまけて、加奈を傷つけておきながら、世界は悠長に朝を迎えた。

僕の懊悩なんて、所詮、だれも知らない。

加奈だって知らない。

いや、加奈にはむしろ、知られたくない。

だけど、なぜあんな風に怒鳴ってしまったか……

下手くそな、愛情の裏返しだったということを言い訳したい気持ちは、ある。

ほんとは昨日、怒鳴らずに、もっと冷静にしていればよかったんだ。

ちょっと理由があって、つい怒鳴ってしまっただけなんだ。

ごめん、加奈。

そう言えばきっと、彼女は笑って見過ごしてくれたと想う。

それは今からでも決して遅くはない気がする。