がたん、と天井が鳴ったと思ったら、階段を踏む足音が聞こえた。

ちょっとして、リビングの入り口にヨシが現れる。

片膝の破れたジーンズにちょっとよれたティーシャツ。

今起きたんだなぁ、きっと。

髪の毛がピョコンと、右側に跳ね出ていた。

「おはよぉ、ヨシ」

と起き抜けの彼に一発、鏡の前で練習してる笑顔。

私の笑った顔はヨシに全部あげる。

全部全部ヨシに見せてあげる。

だからヨシも笑って笑って。

――そう思っているんだけど、彼はイマイチ素直に受け取ってくんない。

そればかりか今日に限っては、ものすごく重苦しい溜め息と一緒に眉をしかめ、顔を背けられた。

なな、なにか、悪いことしたっけ、私。

……やっぱり、こうして休日にまで口実を見つけてやって来たのが、ちょっとウザかったりするのかな。

……少し、傷つくな。