この一週間――

ずっとヨシと話せなかった寂しさ――

ヨシの姿を幻にまで求めたむなしさ――

願っても求めてもそばにいてくれなかった満たされなさ――

そして今、彼がなにをしたのかっていう疑問や驚愕――

そのすべてが今、ふっと、吹っ飛んだ。

呆けてしまうくらい、一瞬だった。

ヨシと言葉を交わすことができた――たった、それだけのことで。

ううん、それだけじゃない。本当は。

だって、今、ヨシが呼んだんだ。

私のことを加奈って呼んだんだ。

この一週間ずっと聞くことのできなかった、私の大好きな声の、大好きな発音。

私の名前。