「ねえ、よ、ヨシ……?」

最初に訊きたかったのは、『どうしてここにいるの? どうして来てくれたの? どうして来れたの?』。

そんな、『どうして』の三拍子。

次に訊きたかったのは、とても単純に、『いまなにをしたの?』。

でも、どっちかを先になんて実際はうまく決められなくて、

私の頭はこんがらがって、

口が勝手に「ど」と「い」を交代交代に呟くばっかり。

そんな私を見かねてか、首だけで振り返っているヨシが、ほんの少し、目を優しく細めた。

「だいじょぶか、加奈? 怪我とかないな?」

(あ……――飛んだ)

と思った。

私の頭の中の、なにもかもが、今、すべて飛んでしまった。