珍しく悠里がしどろもどろだ。

コイツのこういう、男のくせにえらくウブだったり繊細だったりするところは、西村さんのツボらしい。

意地悪な言い方でわざと拗ねたり焦らせたりと反応を楽しむ西村さんは、それはもう目をキラキラさせていた。

きっと彼女の脳内ではずっと、キラキラ星が流れているに違いない。

「ごほんげほん。ま、まあ、なにはともあれ、ですね?」

と、なにが『なにはともあれ』なのか知れないけど、悠里はわざとらしい咳払いをした。

「話を戻すと、善紀は加奈ちゃんに告白したい。んで、どうすればいいかってことだよね」

「さっきからそう言ってるじゃないか」