すぅ、ふぅ、と、西村さんはゆっくり呼吸した。

「こっちの準備は万端だよ、いつでもいいよ、心配しないで、イヤなんかじゃないよって。

とってもおっきくて広い心を持てるの。……場合に、よるけどね?

でも、やっぱり、なんていうか……大好きな男の子になら、そういう心、持っていたいの。女の子はきっとみんな、そういうとこあるんだ」

「加奈も?」

「そ、加奈ちゃんも。たぶん、きっと。ヨシくんの葛藤、すっごい伝わってきてたもん。だから加奈ちゃんだって……」

「僕を、受け留めようとしてくれてた……?」

僕の欲望が具現化してしまった、あの夢のように……?