もぐもぐとカツを咀嚼しながら、比喩した部分もたぶん汲み取ってくれた先生が、

「ほー、なるほどね、ほー」

ご、くんと喉を上下させた。品はないけど、いっそ清々しい食べ方だ。

「で、その子ってのは、お前のこと嫌いなのか? それとも告白もまだ?」

「いえ、彼女は僕に告白してくれて――世間的に言えば僕ら、両想いなんですよ。でも僕は彼女をけがしたくないから、彼氏にはなれません。だから昨日、思いきって突き放したんですよ。それで、」

「今日登校してきたら来たで、そのだれかちゃんと顔合わせるのがつらくなって保健室に逃げましたってか。お前、とんだ最悪野郎だな。カスだな。呆れてカツも不味くなる。最悪だお前」

言葉の先手を取られ、そしてやっぱり、ほら、侮蔑された。

しかも彼女の癖で、普通の二倍侮蔑された。

でも、予想はしてた。

だから、そうですよ、と僕は笑って返す。