廊下を歩きながら窓の外を見ると、校舎の向こう側へ夕日が沈んでいっていた。

作ったみたいに真オレンジ色の光のせいで、校舎も、途中に生えてる木も、逆光になって黒く見える。

まるで影絵だ。

金色一色の虹が眩しくて、思わず目を細める。

それでもやっぱり眩しくて、逃げるように、そっぽを向いた。

私は夕焼けが好きなのに、夕日は意地悪なくらい、照れ屋なのだ。

(そ、まるでアイツみたい)

と思いながら、廊下の突き当たりにある横開きを、がらりと開ける。