乙女系王子様

「ちゃんと聞いててくれた?」



俯き気味だった私の顔を覗き込むように、王子が顔を近づけて聞いてきた。



「え、あ、う、うん!聞いてたよっ。すごく上手くて…びっくりしちゃった」



「……そ?」



照れたように笑ってそう言えば、王子も「ありがと」と言って笑ってくれた。



「んー…歌ったら喉渇いちゃったわ」



王子のグラスは空だ。

さっき、林くんが笑いながら王子のウーロン茶を一気飲みして、笑いながら隣の部屋へ消えていったのだ(エキセントリック…!)。



「これオレンジジュースだけど、飲む?」



ストローをそのままにグラスを王子に差し出した。



「あら、ありがと。いただくわ」



そう言うとグラスを持った私の手に王子は手を重ねて、そのまま顔を近づけた。