乙女系王子様

コツ…コツ……と、一歩ずつこちらに近づいてくる王子。

無意識に後ずさるものの、すぐに壁に背中が着いた。


「姫は──…どう思う?」


私の目線に合わせてかがんだ王子と視線をあわされる。


だけど──…

その目に今まで何度と見た、からかいの色を見つけて、ほっと息を吐く。


「……意地悪だと思います」


「──ふふっ。本気にした?やあねェ。アタシ、こんなに素直でいい子なのにィ」


本当にいい子は、自分で自分のことをいい子って言ったりしないと思います…


「ただの変態だと思いまーす」


「………拓真、アンタは黙ってなさい」


王子の後ろを見れば拓真くんがいた。


「あれ、姫乃チャンまだ着替えてないの?」


「ああ、そうだったわね。早く着替えてらっしゃいな」


「あ、うんっ!」


更衣室に向かうと亜希と海ちゃんも出てくるところだったので、急いで着替えた。