「渡辺くん」
「!」
もう瑠羽は、俺を他人にしようとしてる。
喧嘩友達にさえ戻れない。
…廉とも呼んでくれないのか?
瑠羽に呼ばれる“廉”が好きだったんだ。
瑠羽に名前を呼ばれるたび、嬉しくて仕方なかった。
1人だけ下の名前で嬉しかった。
少しは瑠羽にとって“特別”なんだって。
「これ、あたしやるからいいよ。ごめんね?あたしの事嫌いなのに付き合わせて」
「ち…」
「席もさとにぃに言うから。もう渡辺くんと関わらないように、離してもらうね?…アミと仲良くね」
「ちが…!!」
瑠羽は走って教室を出た。
勘違い…されてる?
アミと仲良く…って。
アミを可愛いと言ったから?
瑠羽…違うんだ。
違うんだよ…!

