楽しそうに笑う、瑠羽。

誰も傷ついてるなんて思わないくらいの、笑顔。






「あれ?」




1時限目。


…いない。

瑠羽がいない。

サボりに行った?





「る…あ、渡部はどうした」

「保健室」

「保健室!?…あいつが」




智先生はなにかぶつぶつ言いながらも授業を始めた。

…数学の。





「わっかんねー」





いつもなら、隣にいるはずの瑠羽が、

“ここはコレ!”と教えてくれる。

喧嘩ごしだけど。

数学が苦手なくせに意外と出来る。

努力してんのは…知ってるけど。