「直さん」
「…あ、わり。なんだっけ?」
「雑念多いッスね」
「…なに言ってんだよ、由宇」
「3P外しまくりじゃないですか」
「…だから?」
「得意のコース、でしょ」
…やっぱり乱れてる。
心ん中が。
これでいいのかって…。
わかんねぇんだよ。
そんなの…。
「直さん」
「…ん」
「恋は少しズルいほうが得ですよ。」
「…由宇」
「悪いほうが、いい」
「……」
「俺は、ズルくも悪くもなれなかった」
…由宇。
由宇は優しい…。
優しすぎるあまりに、周りを気にした。
瑠羽を誰よりも小さい時から守って。
瑠羽に誰よりも先に、恋した。
…優しすぎる、から由宇はダメだった。